7.性と生殖のこと
生殖機能とは
生殖機能とは、子どもを持つこと(妊娠すること・産むこと)に必要な機能のことです。妊孕性(にんようせい)とは、「妊娠のしやすさ」のことです。抗がん剤治療、放射線治療などのがんの治療により生殖機能・妊孕性が低下することがあります。
がん治療による生殖機能・妊孕性の影響について
多くの人が、がんの治療が開始される前に、生殖機能・妊孕性に影響が出る可能性がある事の説明を受けていましたが、2割の人は説明を受けていませんでした。男女による差は、ほとんどありませんでした。
子どもについて
がんの経験の有無にかかわらず、50%以上の人が「将来子どもを持ちたい」と回答しています。「持ちたくない」人も同じ割合でした。「持ちたいが諦めた」と答えた人はがんを経験したAYA世代の人の方に多くいました。
がん治療後の不妊について
後に不妊であることを伝えられている人はわずか18%で、多くの人が不妊とは言われていない、調べていないと回答しています。
不妊と言われた人のうち、不妊治療を受けている人は23.1%でした。治療を行わなかった理由の1番は「がんの治療を遅らせたくなかったため」でした。「知らなかった」「費用が高額であること」を理由に挙げている人もいました。また、45%の人が相談をしていました。他の内容に比べて、相談する人の割合が高い傾向がありました。
がん治療前に生殖機能・妊孕性を温存する治療を受けていない理由
がん治療前に生殖機能・妊孕性を温存する治療を受けていない人は72.8%でした。受けていない理由は下のグラフのように様々なものがありました。
性と妊孕性の情報や相談
医師・看護師はもちろんですが、治療前、治療時、治療後、いつでも知りたいときに相談をしてください。がん相談支援センター 情報収集や気持ちの整理などお手伝いをいたします。
日本・がん生殖医療学会
http://www.j-sfp.org
がん医療と妊娠の相談窓口
国立がん研究センター中央病院8階
03-3542-2511
全国に広がるがん・生殖医療ネットワーク
がんに関わる生殖医療は、どの病院でもできるわけではありません。そのため、各地域でネットワークを組んでスムーズな連携を図る取り組みが急ピッチで進んでいます。下の日本地図は2019年7月現在のネットワークの現状です。未だ未整備の県もありますが、実施していないわけではありません。どこで対応してもらえるのか等、主治医や看護師、相談支援センターの相談員などに尋ねてください。